ペットのための防災対策、避難所の受け入れ体制に課題

ペットのための防災対策、避難所の受け入れ体制に課題

ペット保険のアイペット損害保険(東京都港区)は4日、犬・猫の飼育者1041名を対象にペットのための防災対策に関するアンケート調査結果を発表した。ペットのための防災対策をしている飼い主は2割程度で、「最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか知らない」と答えた飼い主は約8割だった。

「災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか」を尋ねたところ、何かしらの対策をしている飼い主は21.6%だった。犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」(59.0%)、猫飼育者の回答では「普段からクレートやケージに入ることに慣れさせている」(49.4%)がトップだった。同調査の昨年の結果と比較すると、犬・猫飼育者ともに「ペット用の防災グッズを揃えている」「在宅避難ができるよう、家具やケージ固定、落下防止などペットのための防災対策によって自宅の環境を整えている」がそれぞれ大幅に増加した。

「自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか」を尋ねたところ、「知っている」と回答した人は23.7%にとどまった。なお、「知っている」と回答した人のうち約8割は、「最寄りの避難場所のペットの受入れ体制」について認知しており、「建物の中に一緒に入ることはできない」が半数以上で、避難場所のペットの受入れ体制について課題を感じる結果となった。

「災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること」の文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらに当たるかを尋ねたところ、正解の「同行避難」を選択した方は、昨年よりも3.9ポイント増の55.7%だった。続いて、「災害時ペットは飼い主との同行避難が原則とされていることを知っているか」の問いに対しては、昨年より1.8ポイント減となり、8割以上が「知らない」と回答した。言葉としての認知は進んでいるが、今後は実際の避難行動と結びついた意識づけが重要となる結果となった。

現状のコロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため「分散避難」なども検討する必要があると考えられるが、「避難所以外にもペットと一緒に避難できる避難先、ペットの預かり先は確保しているか」の質問には、確保していると回答した飼育者は約15%にとどまった。確保先では「親戚・知人宅」が犬・猫ともに約6割でトップだった。

同調査は2月10日~18日インターネット上で実施された。

(写真はイメージ)