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円山動物園で絶滅危惧種シマフクロウの繁殖成功

北海道札幌市にある円山動物園は19日、絶滅危惧種で国の天然記念物のシマフクロウのヒナが同園で初めて生まれたと発表した。シマフクロウの繁殖成功は国内4番目。

シマフクロウは、翼を広げると約180cmになる世界最大級のフクロウ。環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されており、日本では北海道と北方領土に生息する。森林伐採による営巣木の減少と河川改修や砂防ダム建設による餌の魚類の減少などにより、数が減った。現在は国内では160羽ほどが生息している。

これまでのシマフクロウの繁殖事例は、1995年に釧路市動物園が世界で初めて繁殖に成功した。2014年に釧路湿原野生生物保護センター、2018年に旭山動物園で成功しており、今回で国内4番目となる。

今回の繁殖で、シマフクロウが飼育されているのは非公開の野生復帰施設。ヒナの産卵は317日頃で、ふ化は421日頃と推定される。ヒナが巣箱の中にいる姿は513日に確認できた。性別は不明。

同園は感染症などのリスク分散を目的として、釧路市動物園からオスの飼育下繁殖個体のクックを2012年に、メスの野生保護個体のレインを2014年に借り受けて、2016年から飼育下繁殖に取り組んできた。

レインは2010年の保護時に左翼が骨折しており、その後遺症で現在も飛行が困難な状態にある。同園では、「レインのように野生に戻せない個体が繁殖に取り組み成功できたことは、今後の希少種の保全を進めるにあたり、大きな成果だと考えている」とコメントした。

画像提供:円山動物園

絶滅危惧種シマフクロウの自然繁殖に成功 旭山動物園