東芝が「トリリオンノード・エンジン」向けコネクタ技術を開発
東芝は23日、IoTオープンプラットフォーム「トリリオンノード・エンジン」向けに、はんだ付け不要で容易に着脱できるコネクタ技術を開発したと発表した。
トリリオンノード・エンジンは、日本で開発された超小型のマイコン搭載のプラットフォームで、一円玉大の超小型電子基板のこと。20mm角の基板を積み重ねることで構成されており、従来多くいられているラズベリーパイ(Raspberry Pi)よりはるかに小さいのが特徴だ。小型で低消費電力化が図れるというメリットがあることから、IoT機器の少量生産やPoC(Proof of Concept)に向いている。また、基板間の接続も容易に着脱可能で、はんだ付けが不要という特徴もある。
東芝が今回開発したコネクタ接続技術はモーターなどをつなぐ配線用。モーターを駆動する場合、従来のコネクター端子台では、基板とワイヤーハーネスとを接続すると、その接続部の高さが約8mmになる場合もあった。
新技術ではワイヤーハーネスを保持してパッドに整列させるホルダーにU字状の独自機構を採用した。またホルダーを押さえるカバーは、従来の板金に代わり、高強度な樹脂とゴム製のクッションを組み合わせた構造にした。これらにより基板上の高さは約2mmとなり、十分な強度も確保できた。
また、同社はトリリオンノード・エンジンの積み重ねる基板同士を接続するゴムコネクターについても評価を行い、安定性と信頼性を検証して実用に耐えうることを確認した。
同社は本技術の詳細を、6月1日からオンラインで開催されている電子部品技術に関する国際学会「2021 IEEE 71st Electronic Components and Technology Conference(ECTC 2021)」で発表した。
画像提供:東芝