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日本でも広がる「プラントベース」 地球のための新しいライフスタイル

「プラントベース」という言葉をご存じだろうか。プラントベースとは、英語で植物を意味する「plant」と、由来を意味する「based」を組み合わせた言葉だ。ヴィーガンやベジタリアンは、主に動物性食材を極力排除した食生活を送る人を指すのに対し、プラントベースは植物由来の食品や製品を積極的に取り入れるスタイルを意味する。プラントベースには厳格なルールはなく、各自の目的に沿って自由に取り入れることができる。

近年、欧米では環境問題への関心が高い若者層でプラントベースのライフスタイルが広がりを見せている。欧米のプラントベースフードは年々需要が拡大しており、TPCマーケティングリサーチの調査によると市場規模は2020年度で前年度比28.5%増の1兆2735億円となっている。コロナ禍による消費者の健康志向の高まりに加え、環境問題やサステナブルな社会への貢献の一つとして支持を高めているようだ。2013年の国連の調査によると温暖化ガスの14.5%は畜産業に由来するものと指摘されており、肉食から植物食への移行は気候変動に対する取り組みの一つとして注目されている。

こういった潮流は日本でも同様に起こりつつある。国内のプラントベース市場は広がりを見せており、TPCマーケティングリサーチの調査によると2019年のプラントベース食品の国内市場規模は178億円、2020年予想は246億円と前年比の40%増加が見込まれている。大手メーカーもプラントベース食品に着手しはじめており、一般の人でも手に取る機会が増えている。

今回は、国内のプラントベース食品の事例を紹介する。

スターバックスのプラントベースメニュー

コーヒーチェーンのスターバックス・コーポレーションは2020年に、今後数十年をかけて地球から奪う量よりも還元する量を増やす「リソース・ポジティブ」を実現していくと発表した。これを実現するために掲げた「5つの環境戦略」の中では、今後、植物ベースのオプションを拡大し、より環境に優しいメニューに移行すると掲げている。現在スターバックスの国内店舗では、カスタマイズでドリンクのミルクを豆乳やアーモンドミルクに変更することができる。また、大豆肉を使ったフードメニュー等も販売している。

JR東のヴィーガン・ムスリムフレンドリーな「Plant Based」

東日本旅客鉄道は訪日外国人の増加に対応するため、ヴィーガンやムスリム等の食にこだわりのある人にも日本の食文化を楽しんでもらうため、植物性原材料のみで作られた製品を提供するプラットフォーム「Plant Based(プラントベース)」を展開している。東京土産の製菓メーカーと連携し、東京ばな奈「見ぃつけたっ」アーモンドキャラメルサンドなど、植物性由来の原材料だけで作ったお菓子シリーズを東京駅で販売している。同社はフードダイバーシティの取り組みを日本の玄関口である東京駅から展開していくことで、多くの人がより快適に日本を旅行できるプラットフォームを整えていきたいとしている。

プラントベースは食品にとどまらず、ファッションやコスメなどの分野でも浸透しつつある。

東京ばな奈「見ぃつけたっ」アーモンドキャラメルサンド

カーボンインパクト軽減のプラントレザーを開発「Allbirds」

サンフランシスコ発のシューズブランド「Allbirds(オールバーズ)」は2021年2月、100%植物由来のプラントレザーの開発に成功、同社のオープンリソースに加えることを発表した。植物油や天然ゴムなどのバイオ素材を原料とし、従来の天然皮革に比べて1/40、石油由来の合成皮革と比べて1/17、カーボンインパクト(二酸化炭素による環境への影響)を軽減することに成功したという。

また、同社は2020年4月より、製品を作るために排出されたCO2e排出量を指す「カーボンフットプリント排出量」を全製品に対して表示。製造過程における排出量ゼロを目指すと共に、食品のカロリー表示のように、「地球のためにCO2e排出量を知る」が当たり前の世の中を目指すとしている。

画像提供:東日本旅客鉄道

 

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