奄美・沖縄が世界自然遺産に登録決定 国内で5件目
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は26日、日本政府が推薦していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界自然遺産に登録することを決定した。
国内の世界自然遺産は白神山地(青森、秋田)、屋久島(鹿児島)、知床(北海道)、そして2011年6月の小笠原諸島(東京)に続く5件目。
今回登録された4島には、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギ(奄美大島・徳之島)、ヤンバルクイナ(沖縄本島北部)、イリオモテヤマネコ(西表島)、など各島で独自に進化を遂げた希少種・固有種が生息している。
世界自然遺産への登録には、以下3つの条件を満たすことが求められる。
(1)4つの「世界遺産の評価基準〈自然遺産〉(クライテリア):自然美、地形・地質、生態系、生物多様性」の一つ以上を満たすこと
(2)「完全性の条件(顕著な普遍的価値を示すための要素がそろい、適切な面積を有し、開発等の影響を受けず、自然の本来の姿が維持されていること)」を満たすこと
(3)顕著な普遍的価値を長期的に維持できるように、十分な「保護管理」の体制が整っていること
今回、4島は評価基準のうちの「生物多様性」の評価基準に該当すると評価され、世界自然遺産への登録に至った。
登録区域の総面積は4万2698ヘクタール。地域別では、沖縄島北部7721ヘクタール、西表島2万822ヘクタール、奄美大島1万1640ヘクタール、徳之島2515ヘクタール。
自然保護に対する一層の意識向上を
世界自然遺産への登録により、旅行者が増えるなどの地域社会の変化が見込まれる。一方で、観光産業の活性化への期待と同時に、オーバーユース(過剰利用)の懸念もある。
沖縄県では、「西表島マナーブック」を制作するなど、利用者のマナー向上を図る活動にも力を入れている。
一層の自然環境の適切な管理、保全活動活発化、そして自然保護への意識向上と行動が求められる。
(写真はイメージ)