12月は「寄付月間」 社会貢献をもっと身近に

12月の半ばとなり、2021年も残りわずかとなった。12月は「寄付月間」とされている。寄付月間とは、寄付者に感謝し、寄付の大切さと役割について考え、寄付に関心を寄せ、行動をするきっかけにしようという期間だ。

日本ファンドレイジング協会発行の「寄付白書2017」によると、名目GDPに占める寄付の割合は、アメリカの1.44%で寄付額2818.6億ドル(約30兆円)に対して、日本はわずかに0.14%で10分の1となっている。また、日本国内においては、高年齢ほど寄付者率が高くなる傾向があり、最も高い70代の57.8%に対し、20代は26.1%、30代は30%にとどまっている。

東日本大震災の発生した2011年は日本の「寄付元年」とも呼ばれており、国民の68.6%が何かしらの寄付をしたと言われている。その額は1兆円を超え、個人寄付額はその後も7000億円の規模で推移している。

日本でも身近になりつつある寄付。この記事では寄付に関連した取り組みをいくつか紹介する。

次の世代に寄付の価値を教える「寄付の教室」

日本ファンドレイジング協会(東京都港区)は、学校向けに「寄付の教室」という体験学習プログラムを実施している。寄付とボランティアは個人ができる社会貢献の両輪とされている。諸外国では一般的な寄付教育が、日本の教育現場では殆ど行われていない。

体験プログラムでは、子どもたちが社会課題を知り、自らの価値観で社会的な活動を応援することの楽しさ、そして様々な価値観や考え方の違いを認識し、互いに助け合い自分たちがベストだと考える応援方法を選択していくことの難しさなどを学ぶ機会を提供する。2010年にモデル授業として開始し、9年間で全国99校、24つのイベントを通じて、246教室を実施している。

スポーツ×寄付「HEROs DREAM」

⽇本財団(東京都港区)は、アスリートと共に社会貢献活動の輪を広げていくことを⽬的とした「HEROsSportsmanship for the future~」(以下 HEROs)プロジェクトを実施している。この一環として、誰もが社会貢献に参加できる新しい寄付の仕組み「HEROs DREAM」を寄付月間に合わせて立ち上げた。

HEROs DREAMは、マンツーマンの競技レッスンや試合への特別招待など、賛同するアスリートが一般の方とのイベントを提案し、そのイベントへの参加抽選応募を通じて寄付ができる仕組み。寄付金は、アスリートによる社会貢献の取り組みや困難に直面する子どもの支援など、社会課題解決のための取り組みに寄付されるという。

同団体が行ったスポーツファンの社会貢献活動に対する意識調査によるとスポーツファンの社会貢献活動への関心度は、一般と比べて20.5pt高く45.1%となっている。また、スポーツには応援や共感が集まりやすいという特長があり、寄付との親和性が高いと言われている。

1年の終わりに、こうなりたい「未来」のために、寄付というかたちでの社会貢献をしてみてはいかがだろうか。

(写真はイメージ)