富士通、サプライチェーン排出量の削減を目指した顧客サービスを開始
富士通とリッジラインズは24日、顧客の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)達成を支援するコンサルティングサービスの提供を2022年1月より、サプライチェーンのCO2排出量算定・可視化サービスの提供を24日より開始すると発表した。
政府は2020年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言している。企業においての取り組みについては、自らの排出だけでなく、その事業活動に関係するあらゆる排出を合計したサプライチェーン排出量を削減することが求められている。サプライチェーン排出量は、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)のScope1、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出のScope2、それ以外の自社活動に関連する他社の排出であるScope3を合計した排出量を指す。Scope3は原材料、輸送・配送、通勤、製品の使用、製品の廃棄など15項目に分類されている。加えて上場企業は様々な機関に向けてCO2排出量の開示や削減対策が求められている。
富士通は、これまでカーボンニュートラル実現のためにサプライチェーンも含めたグループ全体でのCO2排出量の可視化や開示対応に加え、削減目標を設定して削減に取り組んできた。その取り組みで得たノウハウを顧客に還元して、SDGsの達成に向けた経営戦略立案から対策の実施までを支援する。
コンサルティングサービスはリッジラインズから提供し、富士通はCO2排出量算定・可視化サービスを提供する。工場や事業所ごとの燃料や電力の使用量などのデータに加え、製品の製造や輸送などサプライチェーン上で発生するCO2排出量などのデータをクラウド上に集約し、総CO2排出量を可視化する。国や地域、事業所、項目ごとのCO2排出量が表示できるほか、工場内の各設備や製造工程単位でのエネルギー使用量などのデータを収集するサービスと組み合わせることで、情報収集の効率化やトレーサビリティの確保を実現する。
富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を自社の存在意義として、その実現を目指す新事業ブランド「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を10月に策定した。人と地球が共存し持続可能な成長を支える取り組みを進めていくという。
画像提供:富士通(冒頭の写真はイメージ)