最強のエルニーニョ、世界的に異常気象に

米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気庁(NOAA)が発表した最近の分析によると、世界的な異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」が強く起こっており、1997~98年に発生した20世紀最強のエルニーニョの時によく似ているという。海面高さ、海面水温、風のパターンなどの観察で、西太平洋で海面水温が下がり、東太平洋赤道域で大幅に海面水温が高くなっている。

上記の地図は、1997年と2015年の10月初めに観察された太平洋の海面高さを比較したもの。暖かい水は体積が増えるため、通常の海面より数十mm高くなる。海面高さと海面水温が平均より高い場所を赤で、平均より低い場所は青で、通常の海面の場所は白で示している。

10月の海面高さの異常から、2015年は1997年と同じか、より熱量が大きいと見られている。NASAのジェット推進研究所(JPL)の気候学者であるビル・パッツァート氏は、「北米のいたるところで、この冬は間違いなく正常ではない。しかし、過去十年間の気候イベントによって、『正常』を定義するのは困難だ」と述べた。

7~9月の海面水温の平均は通常よりも1.5度高く、NOAAによれば1997年の1.7度、1982年の1.6度に次ぐ歴代3位。NOAAの気候予測センターの科学者たちは、「すべてのマルチモデル平均によって、晩秋から初冬にかけてのピークを予測できる。およそ95%の確率で、北半球では2015~16年までエルニーニョが継続する」と声明を出した。

日本の気象庁によると、エルニーニョ発生時の秋の天候の特徴は、平均気温が西日本、沖縄・奄美で低く、北・東日本で並か低い傾向。冬の天気の特徴は、平均気温が東日本で高い傾向。

画像提供:NASA