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震災遺構〜津波・火災から全員が助かった旧気仙沼向洋高校

2011年3月11日の東日本大震災の際に、12mの津波が襲った気仙沼市。市内では、津波の後に漏れ出した重油に引火し大規模な火災も発生した。津波や火災等で1143人が亡くなり、212人が未だに行方不明者となっている。

海から約150mしか離れていないにも関わらず、生徒や教員など全員が助かった旧気仙沼向洋高校の校舎は、当時のままの形で「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」として保存されている。

4階の床の上に置かれたレターケース。津波が来たところまでが変色している。12mの津波は4階建て校舎の4階の床上まで達した。
津波で流されてきた冷凍工場が激突してえぐれた4階の壁。屋上に避難していた教職員と工事関係者は危機一髪だったという。
3階の教室に流れ着いた車
教室内には海岸から流れ着いた松の木も見える
旧北校舎と旧南校舎の間に挟まった車と船の残骸
パークゴルフ場に生まれ変わった校庭。敷地内には子ども用の遊具やドックランもある。写真奥には、震災後に築かれた白い堤防が見える。

当時、向洋高校には生徒・教職員・工事関係者がいたが、生徒170名は避難所へ避難し無事、教職員20名は重要書類などを保護するために学校に残ったが、校舎の改修工事を行っていた工事関係者25名と共に屋上へ避難して無事だった。館内には校舎の現状の展示の他、当時の気仙沼市内の写真や、人々がどのようなルートで避難しようとしたのかを検証した映像などが展示されており、津波災害の教訓を残している。

伝承館から車で数分のところにある「龍の松」。津波に耐えた樹形が龍の姿に見える。
海側から見た気仙沼の沿岸部。堤防が作られ、自然の地形がわからなくなっている。震災後も住み続けている人からは、慣れ親しんだ海が見えなくて寂しいという声も聞かれた。

気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

所在地:宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1

開館時間:4~9月9時30分~17時、10月~3月9時30分~16時

休館日:毎週月曜日、年末年始、祝日の翌日(土日、GWを除く)

料金:一般600円、高校生400円、小・中学生300円(団体料金有)