金や銀などの貴金属、人間の排せつ物に含有

 人間の排せつ物には金や銀などの貴金属が含まれており、金の含有量は採掘の採算があう最低限の鉱床と変わらない水準であることを、米国コロラド州デンバーで開催中の米国化学会(ACS)大会で23日、米国地質調査所(USGS)の研究チームが発表した。金や銀のほか、パラジウム、バナジウムなどのレアメタルも含んでいるという。
 米国では下水処理施設から年間700万トン以上の汚泥が生じるが、半数は肥料として利用され、残りは焼却処分や埋め立て地に送られている。こうした汚泥から規制金属の除去と共に有用な金属の回収ができれば、採掘の必要性が減って環境保全にも繋がる可能性がある。
 汚泥からの金属回収は、これまでに鉱石から金属を抽出するために用いられてきたのと同じ方法が使用できる。しかし研究チームは、経済的、技術的な実現可能性はケース・バイ・ケースで評価される必要があると述べている。

画像提供:Heather Lowers, USGS Denver Microbeam Laboratory