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思考・行動特性をもとに大学生の1年後の成績を予測

大学生の思考・行動パターンと学業成績の関連を分析

EdTech企業のInstitution for a Global Society(東京都渋谷区、以下 IGS)は、東京医科歯科大学医学部の学生を対象に、学業成績と行動特性の相関分析調査を行い、2月15日、その結果を明らかにした。同調査によって、大学2年生以上の学生については、学力以外の思考パターンや行動パターンといった行動特性のスコアから、1年後の学業成績の予測ができる可能性が示唆された。

IGSはOECDが定義したキー・コンピテンシーの枠組みをベースに、グローバルで活躍する人材の普遍的な行動特性を25の項目で定義している。コンピテンシーとは、子ども達が理想的な未来を実現するために求められる行動特性のこと。同社が開発した360度評価ツール「GROW360(グロー・サンロクマル)」は、こうしたコンピテンシーを測定・評価するため、友人3人が能力を相互評価し、AIが評価の甘さ・辛さや回答時間など評価の信頼性を分析して補正することで、コンピテンシーがスコアで示されるもの。「課題設定」「自己効力」「寛容」「誠実さ」といった行動特性を定量化することができる。

今回の調査はGROW360を用いて、2019年から2020年にかけて、東京医科歯科大学医学部医学科の第1学年(93名)、第2学年(76名)、第5学年(81名)を対象に実施された。その結果、1学年時は学業成績とコンピテンシーの相関はさほど見られなかったが、2学年時の学業成績は約1年前に測定したコンピテンシーの「誠実さ」「感情コントロール」「解決意向」と、5学年時の成績は、「誠実さ」「疑う力」「成長」においてある程度の相関が確認された。これにより、1年前に計測したコンピテンシーのスコアから学業成績の予測ができる可能性が示唆された。

同社は今後、誠実さなど学習意欲に関わるコンピテンシーが低い大学生に対して、学習環境の把握・助言や自己/他者評価の振り返りといった支援を行うことで、より多くの学生の成績を伸ばしやすくすることができる可能性があるとした。両機関は今後、得られた所見の普遍性につき、引き続き研究活動として分析していくとしている。

(写真はイメージ)