「自分の字が嫌い」半数近く 書くことの大切さ伝えるパイロットの取り組み
パイロットコーポレーション(以下、パイロット)は4月4日、Z世代の自分の文字の好き嫌いや手書き文字に対する印象を明らかにするために実施した「文字を書くことに関する調査」の結果を公表した。半数近くの人が自分の手書きの字を嫌っている一方で、手書きの文字を受け取ることには好印象だった。
調査の結果、「字が汚い・癖があるから」などの理由で、45.0%の人が自分の手書きの字を嫌っていることが明らかになった。さらに、「週に4〜5回以上」手書きする人のうち34.5%が自分の字を嫌いとする一方で、「2週に1回以下」しか手書きをしない人では67.5%が自分の字を嫌っており、文字を手書きすることが少ない人ほど自分の字を嫌いになる傾向があることがわかった。一方で、手書きの文字によって相手の印象が悪くなったと回答した人はわずか5.2%だった。
また、文字をあまり手書きで書かない人(週3回未満の人)でも、「記憶に残りやすい」「思考の整理がしやすい」「感情が伝わりやすい」といった手書きのメリットを感じていることもわかった。
同調査は2月に、19~25歳の大学生および社会人200名を対象として、インターネット上で行われた。
1人1台デジタル端末が配布されるなど子どもたちの手書きの時間が減っていたり、「美文字」の言葉や手書き文字の美しさが注目される中で、自分の書く文字を肯定的に捉えられず、自信が持てない人も多い。
パイロットは、自分の字を”自分らしさ”として捉えなおすオンライン企画「じぶんの字がキライな人のための文具店」を、8月1日より開始する予定。同社が開発した筆記具のプロモーション企画で、自分の書く文字の癖や特徴を個性として捉え、自分らしい文字を肯定することで書く楽しさを感じることを目的としている。昨年に続く企画で、前回はAI筆跡診断や著名人の手書きの文字のオンラインショップ開設等のコンテンツが提供された。
また同社は、日本文化教育推進機構が4月から提供している、小学生を対象に「書く」ことの大切さと意義を伝える教育プログラム「書くって大切なこと」プロジェクトにも協賛している。プログラムは、タブレット端末などを併用しながら手書きとタイピングそれぞれの良さを理解し、その適切な使い分けや、日本語の歴史や文化について学ぶ内容。小学校などで1~2時間で学習できる構成で、手書きの楽しさと魅力を見出すための一助にしたいとしている。
画像提供:パイロット(冒頭の写真はイメージ)