若い女性の5人に1人がやせ型 ダイエット経験の有無で背景を検証

順天堂大学等の研究グループが、日本人の若いやせ型女性の多面的な背景について、ダイエット経験の有無に着目して検証した結果、両グループには異なる背景が存在していることが明らかになった。オープンアクセスジャーナル「Frontiers in Public Health」に6月2日付で公開された。

日本はやせている女性の割合が先進国の中で最も高く、18〜29歳では5人に1人がやせ型(BMIの値が18.5kg/m2未満)だ。近年の研究で、やせていても「少食で運動不足」の女性は、糖尿病の発症リスクが肥満者と同様に高く、「やせているから健康」とは限らないことが明らかになっている。しかし、若いやせ型女性がやせている背景については、これまで十分に検討されていなかった。

今回の研究では、何らかの疾患で通院しておらず、減量をしなければ行えないスポーツ活動を実施していない5905名を調査対象とした。このうち、23.5%がやせ型、68.9%が普通(BMI 18.5~25kg/m2未満)であった。やせ型と普通のうち、ダイエット経験の有無、身長や体重(BMI)、出生時体重、自身のボディイメージ、体重への認識、小学生から現在までの運動習慣、食習慣等を調査し、最終的に589名の回答を得た。

その結果、ダイエット経験の有無で、身長や体重(BMI)に差は見られなかったが、ダイエット未経験者は出生時体重や過去の最高体重が少なかった。ダイエット未経験者は、運動習慣を持っている割合が少ないのに体重が減りやすいと感じる割合が多いため、元からやせ体質の可能性がある。食事量を増やすことには比較的抵抗が少なく、ストレス時には食欲が減少する割合が高かった。

また、ダイエット経験者は体重が落ちにくく、肥満だと感じる体重が未経験者より多い傾向であった。運動習慣を持っている割合も多く、美容や肥満解消のために運動する割合が高かった。ストレスや疲れを感じると食事量が増える傾向があるが、増加に抵抗を持つ傾向も見られた。ダイエット未経験者と比べて、ボディイメージの歪みといった主観的認知への影響が生じやすい可能性が考えられる。

同研究から、個人に合わせたスポーツ機会や栄養摂取の情報提供が必要だと考えられる。ただし、すべての痩せた女性が健康リスクを持っているわけではないことから、体型の多様性やリスクについて正しく理解するための更なる研究が求められる。

(写真はイメージ)