学びの多様化学校やフリースクールなど、不登校支援の動き活発に
9月になり、夏休みが終わって本格的に学校が始まる時期に問題になるのが子どもの「不登校」だ。2022年に公表された文部科学省(以下、文科省)の調査結果によると、小中学校の不登校※1の児童生徒数は24万人を超え、2012年以降、年々増え続けている。
学びの多様化学校
こうした子どもを対象にした「不登校特例校」が増えており、全国に24校設置されている。不登校特例校とは、不登校の子どもの実態にあわせて始業時刻が遅かったり、授業時間数が少なく設定されていたりする学校のことだ。
文科省は今年8月31日、こうした不登校特例校の名称を「学びの多様化学校」と変更することを公表した。一人ひとりの子どもの多様な学びが保障される学校の在り方を表現する意図だ。今後、全国に300校の設置を目指すという。
フリースクール
一方、民間のフリースクールは全国500カ所以上に増えている。フリースクールとは一般に、不登校の子供に対して学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設のことをいう。文科省が指定する学びの多様化学校とは異なり、卒業証書や内申書などの進路書類が発行されないが、近年ではフリースクールの登校を出席扱いとする学校も増えてきている。
こういった背景の中、近年、新たなフリースクールが次々に開講されている。オンライン個別指導塾を運営する「リバランス」は10月1日に発達障害やギフテッド※2の不登校児を対象としたオンラインフリースクールを開校する予定だ。オンラインで全国の子どもを対象とし、週1~3回の自由登校で、起立性調節障害※3を併発している生徒に配慮して授業は午後のみとなっている。
またフリースクール「aini school」では9月の4日間、授業を無料開放している。「#学校に行かない日はおいデー」と題して、マインクラフトやボカロを活用した授業をはじめ、国立天文台の天文博士による授業、漫画家によるイラスト授業などに、オンラインで無料参加できる。
2016年に内閣府が発表した調査結果によると、過去40年間で18歳以下の自殺が最も多かったのは9月1日となっている。子どもたちが不安やプレッシャーを感じやすい時期、一人ひとりの多様性に寄り添った支援が求められているといえる。
※1 年度間に30日以上登校しなかった児童生徒
※2 特異な才能のある児童生徒
※3 朝起きられなかったり、血流が低下し気分が悪くなる病気
(写真はイメージ)