「ICT授業は楽しい」8割 子どものICT利用に関する調査2023
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は11月8日、共同研究「子どもの生活と学び」研究プロジェクトにおける特別調査の結果をもとに、「子どものICT利用に関する調査2023」ダイジェスト版を公表した。学校でのICT機器の利用に注目して分析した結果、約8割の子どもが「ICT機器を使う授業は楽しい」と、肯定的な意見が多いことなどが明らかになった。
学校現場では1人1台端末の普及が進み、さらに学校外でも、子どもたちの多くがパソコン・タブレット・スマートフォンなどのICT機器を利用している。こうしたことを受けて同調査は、子どもたちのICT機器利用に関する意識や実態をとらえ、より良いICT利用のあり方について考えることを目的に実施された。
同調査は2023年2~3月の期間、「子どもの生活と学びに関する親子調査」の調査モニターである小学4年生から高校3年生までの子ども1万5087人に対してオンラインで実施し、9182人から回答を得た。
調査の結果、学校でICT機器を使う頻度は、31.1%が「週5日(ほぼ毎日)」、20.2%が「週3~4日」だった。小学校4~6年生の利用頻度が高く、高校生の利用頻度は低かった。また、全体の77.6%が「ICT機器を使う授業は楽しい」、62.8%が「ICT機器を使う授業を増やしてほしい」と回答した。
ICT機器を使う効果について、「学習内容について調べやすい」「学習内容がわかりやすい」「効率的に学習できる」「グループでの学習がしやすい」と7割超が実感していた。ICT機器の利用頻度が高い子どもほど、利用効果を感じていることがわかった。
一方で、半数以上が「目が疲れる」「インターネットにつながらなくて困ることがある」「ICT機器を壊してしまわないか不安」と回答した。また、「深く考えて問題を解くことが減る」「学習以外のことが気になって集中できない」という回答も3~4割寄せられた。このような困りごとや不安は、ICT機器の利用頻度とは関係なく挙げられたため、子どもたちが効果的に機器を使えているかどうかにも留意が必要なことが示唆された。
同調査は2023年2~3月の期間、「子どもの生活と学びに関する親子調査」の調査モニターである小学4年生から高校3年生までの子ども1万5087人に対してオンラインで実施し、9182人から回答を得た。
画像提供:ベネッセホールディングス(冒頭の写真はイメージ)