高1男女300名 生理痛について学び、考える授業に参加
第一三共ヘルスケア(東京都中央区)は12月11日、「みんなの生理痛プロジェクト」として大宮南高校1年生を対象に、「生理痛について“学び・考える授業”」を実施した。性別を問わず生理痛に対する理解を深める活動の一環だ。
みんなの生理痛プロジェクトは2023年3月より、性別を問わず多くの人が「生理痛と正しく向き合える社会へ」をコンセプトとして活動している。プロジェクトには、生理・生理痛で悩んでいる人から「症状の有無や性別にかかわらず、生理痛の理解が広まってほしい」といった声が寄せられた。今まで生理痛について考えたことがなかった人も含めて、皆で生理・生理痛と向き合う「はじめの一歩」を提供したいとの思いから、10月に「FIRST STEP ACTION」を開始した。
同プロジェクトが10月に実施した高校生全国調査では、生理痛を経験している高校生の多くが、生理痛が学校生活に支障をきたしながらも我慢している実態や、生理や生理痛に関して困ったことがあっても学校に相談しづらいと感じている実状が明らかになった。
そこで、女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うfermata(東京都港区)と協働で、鎮痛薬※が服用できる年齢になる高校1年生を対象に「生理痛について“学び・考える授業”」を実施することとなったという。
12月11日に埼玉県立大宮南高等学校の1年生男女352名を対象に行った授業では、産婦人科医の外部講師が生理・生理痛のメカニズムや対処法について講義を行った。生徒から事前に寄せられた「生理はなぜ、女子にだけ起こるのか」「生理の時はなぜ、気持ちが不安定になるのか」などの疑問についても取り上げられた。
また、学校生活の中で起こりうる場面を設定して、自分だったらどうするかグループで話し合うワークショップを実施。グループでは「仲の良い友人がつらそうにしながら教室にいたら、あなたならどうしますか?」というシナリオでは、「(いつもより)小さな声で話かける」、「保健室に連れて行く」、「そっとしておく」などの意見が出た。対応に正解が決まっているわけではなく、人によってさまざまであることを共有しながら、生理・生理痛に限らず、体調が悪い人に対して思いやりを持つことへの理解を深めた。
同社は、なるべく早い段階で、性別に関係なく生理痛と向き合う機会を提供することで、生理痛への理解と思いやりのある社会の実現を目指したいとしている。
※市販の鎮痛薬のうち、服用年齢が15歳以上である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の成分を配合したもの。
画像提供:第一三共ヘルスケア