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地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査

地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査

産業技術総合研究所(産総研)が11日、2024年能登半島地震に伴う海岸の地殻変動の調査結果を発表した。8日に能登半島北西部の海岸、石川県輪島市門前町鹿磯周辺を調査したところ、海岸が3.8~3.9m隆起していることを確認したという。この場所は、国土地理院の測地観測データの解析によって最大4m程度の隆起の報告がされていたが、この実地調査によって、ほぼその報告通りの隆起が確認できたことになる。

地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査
1月8日の調査地点の位置

産総研の調査によると、鹿磯漁港では防潮堤壁面に固着したカキやカンザシゴカイ類などの生物が、隆起によって水面から離れている様子が見られたという。固着生物の上限高度から地震前のおおよその海面位置が予測できるため、地震後の海面からの高度を複数地点で計測したところ、その差が3.8〜3.9mで、報告されていた値とほぼ同じ隆起が確認された。

また鹿磯漁港より北側では、「波食棚」と呼ばれる平坦な岩棚が地震による隆起で干上がった様子が観察された。波食棚とは岩盤の風化と波の侵食によって形成され、本来は平均海面付近の高さに広がる地形のこと。波食棚の前面は崖になっており、それを地震後の海面の高さと比較したところ、その差は約3.6mだったという。

地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査
地震に伴う隆起で離水し、干上がった波食棚(鹿磯漁港の北)
地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査
隆起した波食棚前面の崖の様子(鹿磯漁港の北)

さらに、現地で地形断面測量を行ったところ、今回の地震により、階段状の地形である「海成段丘」が形成されたことがわかった。元々、能登半島北部沿岸には約6000年前以降に形成されたと考えられる3段の海成段丘が分布していた。
これは過去に海成段丘を形成するような大きな隆起が少なくとも3回起きていたことを示しているが、そこに今回の地震に伴う隆起よって4段目の海成段丘が形成されたことになるという。

地震により能登半島の海岸が約4m隆起 産総研が現地調査
今回の地震による隆起で形成された海成段丘の地形断面(青線)

(写真は全て産総研HPより転載)