台湾・香港向け旅行業界ネット広告 日系企業の広告は2割以下
アウンコンサルティングは、アジア地域の旅行業界におけるインバウンド広告出稿状況を調査中で、10月27日に台湾、11月4日に香港についての結果を発表した。台湾のグーグル(google.com.tw)とヤフー(tw.yahoo.com)および香港のグーグル(google.com.hk)とヤフー(hk.yahoo.com)で、旅行・ツアーに関するキーワード、ホテルに関する一般名詞、ホテルの名称を検索し、検出されたPPC広告(Pay Per Clickペイ・パー・クリック、クリックされた回数分だけ費用が発生する広告)の数を調査したもの。日系企業、ローカル企業(台湾・香港現地の企業)、グローバル企業に分けて集計したところ、日系企業の広告の割合は全体で2割以下となった。訪日外国人旅行客が増えるに伴い、旅行業界の日系企業は、今まで以上にローカル企業やグローバル企業を競争相手と捉え、積極的に海外の旅行客に向けた広告を出していくことが必要であることがわかった。
旅行・ツアー系の10キーワードで検索したところ、日系企業の割合は11%~16%程度となり、ローカル企業が大半を占めた。「日本旅遊推薦」(「旅遊」は「旅行」の意)の検索で日系企業の広告の割合が多く、香港のグーグルでは「大阪自由行」(「自由行」は「フリープラン旅行」の意)も日系企業の広告が多かった。台湾では日系企業の広告は旅行代理店系のサイトに加え、Wi-Fiなどの旅行オプション系サービスやリテール業界のものが多く、香港では日系企業は旅行代理店と移動交通系が大半となった。
ホテル系一般名詞の10キーワードでは、日本企業の割合はどれも1割以下となった。日系企業の割合が高かったキーワードは、「日本飯店訂房」(「飯店」は「ホテル」、「訂房」は「予約」の意)、「酒店日本」(「酒店」も「ホテル」の意)、「大阪酒店」、「東京酒店」などだった。半数以上がグローバル企業となった。
ホテル名称の20キーワードでの日系企業の割合は、グーグルでは台湾・香港とも13%前後、ヤフーでは台湾は9.4%、香港は2.9%と、やや差が出たもののやはり少なく、大半がグローバル企業となった。
同社は「今後、インバウンド市場の成長に伴って、日系企業におけるマーケティング予算への投資が進み、現地ローカルユーザーの集客を対象としたマーケティング活動、広告プロモーションが増加していく」と考えており、今後、アジア圏を中心としてその他の国や地域、その他の業界においても順次調査していくという。
(写真はイメージ)