空間開発・運営事業など「場」のプロデュースを手掛けるYuinchu（東京都）は、小中学生向けに、プロのクリエイターが講師になって映像制作を通してコミュニケーション能力や伝える力を育むことを目的とした教育プログラムを発表した。
同プログラム「Movie Communication Program by SHOOTEST」は、レンタル撮影スタジオのポータルサイトを運営する同社のブランド『SHOOTEST』がプロのクリエイターと連携して行っている。撮影や編集の技術を学ぶだけでなく、動画制作から「自分自身を表現することの重要性」や「そのためのスキル・考え方」を学び、言語力、表現力、アウトプットの方法などのコミュニケーション能力を育むことを目的としたプログラムとなっている。
同プログラムでは６段階のプロセスを設定している。
- ワークショップ形式を通して、伝えたい情報を仲間と一緒に考える。
- インタビューを行うなど、フィールドワークの中から感じるままに情報を集める。
- 集めた情報から、何を伝えたいのか、何を求められているのかを考え、イメージを膨らませる。
- 仲間との議論や自問自答を繰り返す中から、伝えたいイメージを言語や絵コンテに落とし込み、イメージを具体化していく。
- 絵コンテを元に、目の前に広がる世界から自分が必要な素材を撮影する。
- 撮影した情報を編集、映像として具現化する。
同プログラムを通じて、自分が伝えたいことを想像する力、相手に何を求められているか想像する力、全体プロセスを俯瞰して見通す力、著作権・肖像権・個人情報などのデジタルリテラシー、動画制作スキルなどの力の習得が期待されるという。
近年では、多くの教育現場にタブレットが導入され、学生が写真や動画を活用して伝える機会が増えている。同社も以前、熱海市立初島小中学校で全8回の授業を行い、生徒自身が企画〜撮影〜編集までの一連の動画制作に取り組み、初島の魅力をPRする動画を制作したという。
同社は、自分の伝えたいことを「相手に伝わる表現」にする力が必要とされる時代に、様々なコミュニケーションを必要とする映像制作のプロセスが、自分の想いを伝える「新しいかたちの作文教育」となるのではないかとしている。
画像提供：Yuinchu