アメリカを拠点にオンライン学習プラットフォームを運営するUdemy（ユーデミー）は6日、「2024年グローバル学習とスキルトレンドレポート」を公表した。2024年以降の仕事に影響を与えると考えられる主要なテーマと、最も求められるスキルを特定する年次レポートで、スキルベース採用への移行、生成系AIの活用、リーダー育成への注目の高まりなど、今後企業が重点的に実施すべき投資課題が紹介されている。
イノベーションの加速とともに、2030 年までに全世界で8500万人の人材が不足すると予測される中、多くの企業は、組織の求めるスキルと従業員の持つスキルのギャップを課題としている。このギャップを埋めるために、同社はUdemy Business利用者の学習履歴をもとに、企業が2024年の事業計画において投資すべき重要分野として、以下の3つを特定した。
一つ目は「スキルベースのアプローチ」だ。あらゆる仕事に求められるスキルは年々増加しており、数年前に必要とされた能力の多くが、近い将来には使えなくなる可能性が高まっている。このため企業は、学位や過去の職務経験のみに頼るのではなく、スキル開発やその検証に焦点を置いた、より実践的なスキルベースのアプローチへ移行している。
二つ目は「生成系AIの発展への順応」だ。生成系AIなどのテクノロジーによって多くの仕事が自動化され、世界経済に約15兆ドルの貢献をもたらすと予想されている。また、生成系AIとその効率性を取り入れることで、既存の仕事の多くが置き換えられ、新しい仕事が創出される見込みだ。このため、企業は既存の人材に生成系AIについてトレーニングをした上で、新しいテクノロジーを使った新たな業務に従業員を再配置することに注力している。
三つ目は「強いリーダーの育成」だ。現代の就業者は絶え間ない変化に直面し、大きなプレッシャーを感じている。離職者にかかるコストは2022年だけで8.8兆ドルを超えていると言われ、企業のDXにおいてリスクを避けるためには、現場の管理職を対象としたリーダーシップ開発への投資が不可欠だ。
同レポートは、2022年7月1日から1年間の各国のUdemy Business学習者の合計学習時間を計算し、前年からの学習時間の増加率を分析して作成された。
画像提供：Udemy（冒頭の写真はイメージ）