初の民間企業による月面軟着陸に成功

初の民間企業による月面軟着陸に成功 月面探査は新たな時代へ

米インテュイティブ・マシーンズ(IM)は22日、民間企業として初めて月面への軟着陸に成功した。米国としても1972年12月のアポロ17号以来、半世紀ぶりの月面への帰還となる。2018年3月に米航空宇宙局(NASA)は民間企業に観測機器やローバーなどの積載物の輸送を有償で委ねる「商業⽉面輸送サービス(CLPS)」を設立し、翌2019年5月に3社と契約したうちの1社がIMだった。今回の成功は、商業的な⽉⾯探査という新しい時代の幕開けを意味する。

IMは15日にNASAのケネディ宇宙センターからSpaceX社のファルコン9ロケットで同社のNova-Cクラスの⽉着陸船「オデュッセウス」を打ち上げた。この着陸船には、環境に優しい液体酸素と液体メタンの混合物を動⼒源とする推進システムなど、最先端の技術が搭載されている。今回のミッションの主な⽬的は、⽉の未踏の部分である南極地域にさまざまな積載物を届けることだ。着陸後、夜になってオデュッセウスが動作不能になるまでの約7⽇間、科学調査と技術実証を実施している。このミッションから得られた知識と経験は、将来の⽉やその先へのミッションを形作る上で⾮常に貴重なものとなるだろう。

CLPSで2019年5月に契約した3社のうち、米アストロボティック・テクノロジーは今年1月8日、バルカンロケットにより打ち上げられたものの、分離後に推進システムの不具合を起こして失敗した。また、2023年4月26日、日本のiSpaceが開発した着陸船が世界初の民間による月面着陸に挑んだが軟着陸に失敗し、着陸予定時刻のあと通信が途絶えた。

画像提供:インテュイティブ・マシーンズ