従業員がイキイキと働く取り組みを表彰「GOOD ACTIONアワード」
リクルートが運営する『リクナビNEXT』は5日、従業員が生き生きと働くための職場の取り組みを表彰する「GOOD ACTIONアワード」を受賞した実践を発表した。職場環境向上や労働時間削減、評価制度や人材育成方法などにおいて成果を上げた事例が取り上げられた。
今年で10回目となる同アワードでは、7~9月の期間、日本で企業活動を行う企業・団体から取り組みを募集し、書類審査、オンライン審査、最終審査を経て、7つの取り組みが選出された。さらに今回は入賞のほか、職場への広がりを期待する、働く人にとってエールとなるような取り組みが「Cheer up賞」として表彰された。
今回受賞した7つの取り組みは以下のとおり。
入賞した株式会社中川(和歌山県田辺市)は、社内で「実働5時間の林業」「労働生産性を追求しない、無理をしない林業」を推進した。さらに社員の独立志向を歓迎し、起業する際には社内から2名まで引き抜くことができる「ヘッドハンティング制度」も導入したところ、これまでに9都県で7社が創業している。このような、企業としての成長を手放し、社員側に立つ姿勢に共感し、従業員の約半数は他県からの移住者が従事しているという。
Cheer up賞の山陰パナソニック(島根県出雲市)は、新しいことに挑戦する風土を育むことを目的として、新卒1年目の社員を対象に「青春18きっぷ研修ひとり旅」を実施した。新入社員は、青春18きっぷを使った5日間の旅程について行き先やテーマを計画。「毎日10人以上に話しかける」、「旅の様子を1日3回以上SNSに投稿する」といったミッションが課せられる。導入時は一部からは反対の声も上がったが、旅をやり遂げた達成感や社内での人間関係が向上し、同年の旅を経験した22名の新卒社員からは一人も離職者が出ていないという。
『リクナビNEXT』編集長の藤井薫氏は各取り組みに対して、働く個人が「これが当たり前だから」と諦めて、自分の生活を犠牲にするのではなく、自ら声を上げ、行動に移した点が大きな特徴だとし、「働く個人が主人公になる新たな職場・新たな経営であり、本質的な人的資本経営の実践例と言える」と総評した。
画像提供:リクルート(冒頭の写真はイメージ)