ご当地自慢を探せ!(41)カルスト台地が育んだ「ごぼううどん」
味よし、香りよし「美東ごぼう」
「ごぼううどん」は、秋芳洞開洞100周年記念式典に合わせて山口県
生育に不向きな粘土質の土が美味さの鍵
「美東ごぼう」が採れる美祢市美東町地区は古くからごぼう栽培が盛んなエリアだ。肉質がきめ細やかで柔らかく、香りの良さが特徴の美東ごぼうだが、その理由は美祢市に広がるカルスト台地にあるという。
一般的にごぼうは砂地など、水はけの良い柔らかな土壌で栽培されることが多い。一方、美東町地区の土壌は、カルスト台地の石灰岩から溶け出した炭酸カルシウムを含む酸化した粘土質の赤土で、ごぼう栽培に不向きな土壌のように思われる。しかし、その固い粘土質の土の中でじっくりと成長することで、きめ細かで柔らかく、香りの良いごぼうに育つのだという。
ごぼうの旨みを堪能できる1杯
ごぼうの風味を邪魔しないように、ネギやショウガ、七味唐辛子などの薬味は一切添えられていないため、”うどん”と”つゆ”のみと、見た目は非常にシンプル。美東ごぼうを粉末にしたごぼうパウダーが練り込まれた麺は茶色がかっていて、見た目にもごぼうを感じられる。
お店の方がオススメするのは、最初はつゆとごぼうの唐揚げをあえて絡めず、唐揚げをそのまま食べて、後からはつゆに浸しながらうどんと共に食べるという食べ方。その順番どおりにいただくと、パリパリ・カリカリな食感と、衣に出汁が染みてしんなり柔らかな食感、2種類の異なる口当たりのごぼう唐揚げを楽しむことができた。最初から最後まで、口いっぱいにごぼうの旨みを堪能できる1杯だ。
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