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ご当地自慢を探せ!(42)山口のソウルフード「瓦そば」

山口県を代表するソウルフードで、全国的にも知られている「瓦そば」。熱々の大きな瓦の上に風味豊かな茶そばや錦糸卵、甘辛く味つけられた牛肉などが盛り付けられており、熱々のつゆにつけていただく料理だ。時間が経つと、高温の瓦に焼かれた茶そばがカリカリとしたおこげのように仕上がり香ばしい。レモンやもみじおろしを加え、味の変化も楽しむことができる。

瓦そばは1961年、下関にある川棚温泉の名物として考案された。ヒントになったのは、1877年に起こった西南戦争において、「熊本城を囲む薩摩軍の兵士たちが、長い野戦の合間に、身近にあった瓦を火にかけて野菜や肉などを焼いて食べた」というエピソードだ。また、瓦は川棚温泉と関わりの深いものでもあった。高価な瓦や土塀を庶民が使用することはほとんどなかった江戸時代、古くから湯治場として栄えた川棚温泉では治安を守るため特別に民家に瓦を使用することが許されており、瓦は庶民の生活に欠かせないものだったのだ。瓦の上でいろいろなものを焼いて食べたというエピソードもあり、こうした川棚温泉ならではの歴史的事情も瓦そば誕生に関わっていると考えられる。

見た目のインパクトも大きく、シェアして食べる楽しさもあり、人気定番グルメとなっている瓦そば。県内の小中学校では給食として振る舞われることもあり、家庭でも手軽に作れる郷土料理として山口県民に広く愛されている。

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