遅れる災害への備え 心と命を守る「ほっこり防災」が後押し?

クロス・マーケティング(東京都新宿区)は7日、「防災に関する調査(2024年)備え・実践編」の結果を公表した。同社は2022年から毎年7月に防災に関する調査を実施しており、今年で3回目の調査となる。今年は71214日の期間、2079歳の男女3000人を対象にインターネットで調査を行い、災害への備えができていない人が半数近くを占めることなどが明らかになった。

災害に対する家庭内の備えについて、「できている」は17%だった一方、「できていない」は47%と半数近くを占めた。特に、2040代は備えができていない割合が半数を上回った。3年間を通しても、災害への備えができている人は低調のままだった。

物の備えとしては、「懐中電灯やランタン」が約4割、「乾電池」「非常食・保存食・ペットボトルの水」「カセットコンロ・ガスボンベ」が3割台で、3年間で大きな変わりはなかった。

一方、内閣府によると、熊本地震における災害関連死の約74%は精神的負担によるものとされており、被災者の精神的なストレスが深刻な問題となっているという。

こういった背景から、アウトドア用品ブランドのPYKES PEAKは、新たな防災の概念「ほっこり防災」を提唱し、防災グッズ開発している。ほっこり防災とは、災害時に命を守るための防災グッズの機能に加えて、心の癒しや安心感を提供することで、被災者の精神的な回復を支援し、身体的・精神的両面から命を守ることを目指す取り組みだ。

同社の公式Xで一般公募して名付けられた「モグラ隊長」をイメージキャラクターに採用し、防災グッズシリーズを発表。「モグラ隊長の救急トイレ」は緊張感を和らげるデザインで、シリーズ累計2万個を販売している。同社は今後、次世代の防災グッズとして、機能性と心のケアを両立させたソナエルシリーズを展開し、防災の新しいスタンダードを確立することを目指すとしている。

画像提供:クロス・マーケティング