日本の英語力は世界30位 昨年よりダウン EF調査
世界で語学教育事業を展開するイー・エフ・エデュケーション・ファースト(スイス)は3日、世界各国の英語力(EF英語能力指数、EF EPI)のリポートを発表した。1位はスウェーデンで、トップ10は欧州の国々が占めた。アジアの1位はシンガポール(世界12位)だった。日本は世界30位で、昨年の26位から順位を落とし、アジアでは5位から6位に落ちた。
同リポートは2011年から毎年発表されており、今回の調査は2014年中に世界91万人以上の成人が受験したオンライン英語試験のデータを基に70の国・地域をランクづけている。このため、ランキングは主要言語が英語でない国で構成されている。
日本は100点満点中53.57点だった。同社は「日本の教育システムは他の部分では効果的だが、英語学習に関しては日本の指導方法や教材では学習効果が上がらないことはあまり認識されないまま、教科の1つとして取り入れられている」と述べ、「日本人のみを対象として作られた試験を脱却すること」を解決策として挙げている。
アジアでは、シンガポールとマレーシアは例年高い順位にあり、今年はインドが順位を上げてこれに迫った。またベトナムがアジア9位から5位に順位を上げ、日本を抜いた。中国は世界47位、アジア11位と停滞しており、暗記中心の教育からコミュニケーションを重視するように転換することと、教育制度を地方へ拡大させることが課題とされている。
ヨーロッパでは、北欧諸国が継続して上位に入っている。一方、フランス(世界37位)、ロシア(同39位)などの大国の順位が停滞しており、英語への反感があることや、教育システムの再構築ができていないことが原因だと同社は分析している。
ランキングの世界トップ20とアジアトップ10は以下の通り。
EF EPI 世界ランキング
2015年順位 | 2014年順位 | 国 | 点数 |
---|---|---|---|
1 | 3 | スウェーデン | 70.94 |
2 | 2 | オランダ | 70.58 |
3 | 1 | デンマーク | 70.05 |
4 | 5 | ノルウェー | 67.83 |
5 | 4 | フィンランド | 65.32 |
6 | 11 | スロベニア | 64.97 |
7 | 8 | エストニア | 63.73 |
8 | – | ルクセンブルク | 63.45 |
9 | 6 | ポーランド | 62.95 |
10 | 7 | オーストリア | 61.97 |
11 | 10 | ドイツ | 61.83 |
12 | 13 | シンガポール | 61.08 |
13 | 21 | ポルトガル | 60.61 |
14 | 12 | マレーシア | 60.30 |
15 | 15 | アルゼンチン | 60.26 |
16 | 16 | ルーマニア | 59.69 |
17 | 9 | ベルギー | 59.13 |
18 | 19 | チェコ | 59.01 |
19 | 18 | スイス | 58.43 |
20 | 25 | インド | 58.21 |
EF EPI アジアランキング(中東を除く)
2015年順位 | 2014年順位 | 2015年 世界順位 |
2014年 世界順位 |
国・地域 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 12 | 13 | シンガポール | 61.08 |
2 | 1 | 14 | 12 | マレーシア | 60.30 |
3 | 4 | 20 | 25 | インド | 58.21 |
4 | 3 | 27 | 24 | 韓国 | 54.52 |
5 | 9 | 29 | 33 | ベトナム | 53.81 |
6 | 5 | 30 | 26 | 日本 | 53.57 |
7 | 7 | 31 | 30 | 台湾 | 53.18 |
8 | 6 | 32 | 28 | インドネシア | 52.91 |
9 | 8 | 33 | 31 | 香港 | 52.70 |
10 | – | 45 | – | パキスタン | 49.96 |
(写真はイメージ)