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障がい児の兄弟姉妹にも支援を クラファンで400万円以上

逆旅出版(東京都港区)は28日、障がいのある兄弟姉妹を持つ「きょうだい児」にフォーカスした絵本プロジェクトについて、クラウドファンディングサイトで当初目標の2倍以上となる400万円の支援・寄付が集まったことを公表した。

「きょうだい児」とは、障がいや病気のある子どもの兄弟姉妹のこと。保護者の関心が障がい児に偏ることで、その兄弟姉妹は家庭内で優等生的な役割を演じたり、自分よりも他者を優先したりするようになることがあると言われている。こういった状態が長く続くことで統合失調症や精神障害などにつながる可能性も指摘されているが、十分な理解や支援を得られず、社会的にあまり認知されていないのが現状だ。

同プロジェクトは、きょうだい児に焦点を当てた絵本『ぼくだってとくべつ』の制作と、きょうだい児の認知度拡大を目的としている。16日から目標金額210万円で開始したクラウドファンディングは、現時点で440万円以上の資金が集まっている。リターンの中には、全国の図書館・小学校・養護施設等への寄贈を含むものもあり、400冊以上の寄贈が決まっている。残り約3週間の募集期間で、全国約3270館の公立図書館すべてへの寄贈を目標としている。

絵本の刊行は11月中旬の予定。同社は、絵本を通して、きょうだい児一人ひとりに「君だって特別」「君は1人じゃない」というメッセージを届け、きょうだい児の経験や思いを多くの人に知ってもらうことで、社会全体できょうだい児を理解し支援する輪を広げていきたい、としている。

絵本の巻末には、きょうだい児当事者をはじめ支援者の名前が掲載される予定

画像提供:逆旅出版