台湾のモーニング 外食で楽しむ多様なメニュー
近年、日本国内で台湾に関するイベントが多数開催されるようになっている。今年も、春には京都、幕張、スカイツリータウン、7月には芝公園や代々木公園で、8月には横浜赤レンガ倉庫で、台湾の食や文化を体験できるイベントがそれぞれ開催された。身近になっている台湾の食文化。今回はその中でも、朝食文化について紹介する。
朝食も外食が多い台湾
台湾の特に都市部では、日本と比べて外食文化が盛んだ。安く食べられる美味しい店がたくさんあること、外食より自炊の方が高くつくこと、ゴミ処理が不要で便利なことなどが理由として挙げられる。3食すべて外食という人も珍しくない。
特徴的なのが、朝食の外食文化だ。台湾では家で朝食をとる人は少ない。スーパーの冷凍食品コーナーに、「家で朝食を食べよう」という広告が掲示されるほど、外で朝食をとることが当たり前になっているのだ。夫婦共働きの家庭も多い現代社会のニーズに合わせて、朝食屋が増えたのではないかと言われている。
チェーン店の朝食屋も多く、たいてい朝6時ごろからお昼まで開店している。通学や通勤の途中で、コンビニや朝食屋に寄って朝ご飯を買い、オフィスなどで食べる人も多い。
人気の朝食メニュー
もち米に、肉鬆(肉でんぶ)、油條(揚げパン)、酸菜(酸味のある漬物)などを包んだもの。日本のおにぎりとは違い、三角形ではなく楕円形をしている。ご飯のもちもち感や油條のサクサク感、酸菜のシャキシャキ感など様々な食感の融合と、甘じょっぱい味わいが癖になる。栄養価の高い紫色のもち米で作ることもある。
左写真の奥にある飲み物はライスミルク。コーヒーやミルクティーのほかに、豆乳、杏仁茶などの甘い飲み物を一緒に飲むことが多い。
太めの柔らかい麺を鉄板で炒めた、汁気の多い焼きそばのような料理。ボロネーゼ風や胡椒味、宮保雞丁(鶏肉をピーナッツや唐辛子と炒めた中華料理)味などが一般的。麺とタレがよく絡んで美味しい。奥に見えるハッシュドポテトは、大抵どこの朝食屋にも置いてある王道のサイドメニュー。
甘い豆乳(写真手前)としょっぱい豆乳(写真奥)の二種類がある。しょっぱい豆乳は温かい豆乳にお酢などを入れて作るもので、おぼろ豆腐やお粥、茶碗蒸しのような食感。サクサクした油條(揚げパン)が浮かべられている。
パイ生地のような焼きパンに、油條(中華式揚げパン)や卵などを挟んだもの。パンにパンを挟むというかなりボリュームのあるメニューだが、サクサクもちっとした焼きパンと、ふわっと軽い食感の揚げパンがよく合う。しょっぱい豆乳につけて食べても美味しい。
ふわふわとした蒸しパン。ハムやベーコン、野菜やチーズなど具材を挟んで食べることも多い。写真はタロイモ味のほんのり甘い饅頭に、ネギ入りのオムレツを挟んだもの。
台湾の朝食の代表的なメニュー。皮と卵を薄く焼いたもので、ハムや肉鬆(肉でんぶ)、バジルやチーズなど、中に包む具材の種類も豊富。皮がもちっとしていて、甘辛いタレによく合う。
ここ最近、本格的な台湾朝食を提供する店が東京を中心に増えてきている。「忙しい朝でもしっかり朝食を食べたい」という食を怠らない台湾人の精神から生まれた朝食文化、ぜひ体験してみてほしい。