語学学習をするシニア、「学びへの意欲ある」が8割超 Duolingo調査

語学学習アプリを提供するDuolingo(東京都渋谷区)は10日、60~99歳を対象に実施した「語学学習の有無によるシニア層の私生活の意欲に関する比較調査」の結果を公表した。シニアの語学学習者は非学習者に比べて意欲や目標意識が高く、自分自身に対する自信や自己肯定感も高めの傾向にあることなどが明らかになった。

高齢化の進展を受けて、健康で自分らしい暮らしを続けるためには健康寿命を延伸することが目指されているが、認知症の人が増加しているのが現状だ。認知症の予防には食生活の改善や運動などが知られているが、バイリンガルであることと認知症の発症が4〜5年遅れることには関連があることが報告されており、近年、認知症予防として語学学習も注目されるようになっている。同調査では、語学学習をしている人のうち、69.6%が認知症予防のために取り組んでいると回答した。

「新しいことを学ぶことに関して、どの程度意欲を感じますか?」という質問に対して、「興味がある/意欲がある」と回答した人は、語学学習者が84.8%であったのに対し、非学習者は42.4%にとどまり、約2倍の差が見られた。また学習の動機について、非学習者は新しい学びに対して「老化予防のために必要だと思うから」という外発的動機が最も多く見られたが、語学学習者は「自分の視野を広げたいから」、「新しいことを学ぶのが楽しいから」と内発的動機が主で、学びそのものを楽しむ傾向があった。

「現在、達成したいと考えている目標はありますか?」という質問に対しては、語学学習者のうち78.0%が何らかの目標を持っているのに対し、非学習者の54.5%が「目標は持っていない」と回答し、語学学習者は非学習者に比べて目標を持つ傾向が高いことが明らかになった。

現在の自分自身に対する自信や自己肯定感についての質問では、語学学習者の45.9%が「非常に高い/かなり高い」と回答したのに対し、非学習者では35.4%にとどまった。意欲や目標意識の高さが、自分に対する自信や自己肯定感に影響を与えている可能性が示唆された。

語学学習をしているシニアが語学学習をしてよかったと思うことは、「他の国や文化、政治など興味・関心が持てるようになった」、「海外旅行が楽しめるようになった/不安が軽減された」という回答が上位に上がった。

同調査は、日本語を母国語とする60歳以上の、語学学習をしている人としていない人各300名を対象に、8月27〜28日の期間にインターネットで実施された。

画像提供:Duolingo(冒頭の写真はイメージ)