ぐんまネイチャーポジティブ宣言、自然を回復軌道に 都道府県で初
群馬県は26日、「ぐんまネイチャーポジティブ宣言」を行った。これまでの自然環境保全の取り組みだけではなく、経済や社会、政治など様々な分野にまたがって改善し、生物多様性の損失を止め、プラスの状態に転換させていくことを目指す。
「ネイチャーポジティブ」とは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること。2022年の国連生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)で、2030年までに陸と海の30%以上を保全するという「30by30目標」が掲げられており、ネイチャーポジティブの実現は世界的な課題となっている。ネイチャーポジティブ宣言は環境省が設けた制度で、現時点で200弱の企業・団体が参加しているが、都道府県の参加は群馬県が初めて。
群馬県は宣言の中で、自然を守ることだけではなく「経済活動の主体である企業が、ネイチャーポジティブ経営(自然資本保全の概念を重要課題として位置づけた経営)へ移行していくことが重要」としており、「群馬県版ネイチャーポジティブ経営エコシステム」の形成による社会や経済の変革を目指すとしている。
群馬県は環境を守る取り組みとして、ネイチャーポジティブ宣言のほか2017年から「生物多様性ぐんま戦略」を掲げ、10年間の計画で実施している。10年後には「県民の理解が深まり参加が進んでいる」「生態系の劣化が食い止められている」などの5つの目標と5つの基本戦略を掲げ、毎年進捗状況を調査、公表している。
ネイチャーポジティブ宣言は、一般企業や大学、市町村単位でも宣言することができる。群馬県は、ネイチャーポジティブ経営の第一想起地となることを目指すとしている。
(写真はイメージ)