
走りながらゴミ拾いするフィットネス「プロギング」 【ニュースのコトバ解説】
健康への意識の高まりから、スポーツやエクササイズなどの運動を習慣にしたいと思いつつ、なかなか始められない、あるいは続けられないという人もいるのではないだろうか。
プロギング (plogging) とは、ジョギングを楽しみながらコースに落ちているゴミを拾うというフィットネスで、スウェーデン語で「拾う」を意味する「plocka upp」と英語のジョギング「jogging」を組み合わせた造語になっている。2016年にスウェーデンで始まり、現在では100カ国以上で楽しまれているという。
プロギングは走る動作に加えて、ゴミを拾うために立ち止まって、深くしゃがみこむため、通常のジョギングよりも1.2倍のカロリーを消費するという。ゴミを拾う際に、ランジの姿勢 (両足を前後に開き、前膝を90度になるまで上体をまっすぐに深く下ろす)を取るとさらに下半身のトレーニング効果が期待できる。
また、参加者同士の交流もプロギングの大きな特徴の一つだ。2〜3人で1枚のゴミ袋を使用し、分別をしながらゴミ拾いをするため、ゴミを拾うごとにゴミ袋を持つ参加者に声を掛けるなど交流がしやすくなっている。さらにゴミを拾った人に対して「ナイス!」とまるで球技で得点を決めたり、ファインプレーをしたりしたときのように褒め合うのが約束事となっている。
筆者も先日初めてプロギングイベントに参加したが、始めのうちは褒めることも褒められることにも気恥ずかしさがあったものの、やっているうちに自然と笑顔になっていき、黙々と走るのとは違った楽しさがあると感じた。
フィットネスをしながら健康にもなり、街もきれいになり、交流の輪も広がる「プロギング」。日本ではプロギングという言葉ができる前から一部のランナーの間でゴミ拾いの活動が行われていたこともあってか、親和性も高そうだ。三方よしのSDGsスポーツとして、これから活動の輪が全国に広がっていくだろう。
(写真はイメージ)