ツシマヤマネコが全国の動物園で移動

東京動物園協会は13日、全国の動物園などで飼育している絶滅危惧種のツシマヤマネコを保護増殖のために移動すると発表した。環境省が「種の保存法」に基づいて行なっている保護増殖事業の一環で、冬~春の繁殖期に向けて実施する。

井の頭自然文化園のオス1頭をよこはま動物園に移動するほか、オス1頭を富山市ファミリーパークから、メス1頭を福岡市動物園から井の頭自然文化園に移動する。日本国内では10施設でオス20頭メス15頭の計35頭が飼育されているが、そのうちの8施設の9頭が移動することになる。

ツシマヤマネコは環境省レッドリスト記載の絶滅危惧種で天然記念物。日本では長崎県対馬だけに生息する野生ネコ科動物で、アジア~南アジアに広く分布するベンガルヤマネコの亜種とされる。体重3~5kg、体長50~60cm。イエネコと似ているが、耳裏に虎耳状斑という白斑があるところが異なる。

1960年代の調査では250~300頭が生息していたが、生息環境の悪化や交通事故死などで個体数が減少し、今では約100頭しかいないと推定されている。

(写真はイメージ)