中国向け旅行業界ネット広告 日系企業の広告は1割以下
アウンコンサルティングは18日、中国の旅行業界における広告出稿状況の調査結果を発表した。中国の主要検索サイト百度(バイドゥ)で、北京と上海の2地域で、旅行・ツアーに関するキーワード、ホテルに関する一般名詞、ホテルの名称を検索し、検出されたPPC広告(Pay Per Click ペイ・パー・クリック、クリックされた回数分だけ費用が発生する広告)の数を調査したもの。日系企業、ローカル企業(中国の企業)、グローバル企業に分けて集計したところ、日系企業の広告の割合は全体で1割に満たなかった。
同調査は台湾・香港・タイに続く4箇所目。台湾・香港・タイと同様、訪日外国人旅行客の増加に伴い、旅行業界の日系企業はローカル企業やグローバル企業を競争相手と捉え、積極的に海外の旅行客に向けた広告を出していくことが必要であることがわかった。
旅行・ツアー系の10キーワードで検索したところ、日系企業の広告は北京・上海ともに150件中「東京自由行」(「東京フリープラン旅行」の意)の検索で出た1件の広告のみ(0.7%)となった。台湾・香港・タイと同様ローカル企業が多く、8割を超えた。
ホテル系一般名詞の10キーワードでは、日本企業の割合は北京で4.3%、上海で3.4%だった。割合が最も高かったキーワードは、「日本飯店比価」(「飯店」は「ホテル」の意、北京・上海ともに16.7%)だった。台湾・香港・タイではグローバル企業の広告が半数以上だったが、中国ではローカル企業が半数以上だった。
ホテル名称の20キーワードでは、日系企業は約1割となり、ローカル企業がグローバル企業よりわずかに多くなった。
同社は「今後、インバウンド市場の成長に伴って、日系企業におけるマーケティング予算への投資が進み、現地ローカルユーザーの集客を対象としたマーケティング活動、広告プロモーションが増加していく」と考えており、今後、アジア圏を中心としてその他の国や地域、その他の業界においても順次調査していくという。
参考記事
台湾・香港向け旅行業界ネット広告 日系企業の広告は2割以下
タイ向け旅行業界ネット広告 日系企業の広告は1割
(写真はイメージ)