初の国産商業衛星打ち上げに成功 H2Aロケット

24日午後3時50分00秒(日本時間)、種子島宇宙センターからH2Aロケット29号機が打ち上げられた。打ち上げから約4時間27分後に正常に分離した事を確認、軌道への投入に成功した。今回搭載したのは、カナダの衛星運用大手テレサット社の通信放送衛星Telstar 12 VANTAGE。打ち上げ当日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の見学施設や全国各地の会場では、打ち上げ・衛星分離のライブ中継のパブリックビューイングが行われた。

H2Aロケット29号機は、JAXAの基幹ロケット高度化開発の成果のうち、主に「静止衛星打ち上げ対応性能の向上」が適用(高度化仕様)された。これによりロケットは長時間飛行し、静止軌道の近くまで衛星を運んでから分離が可能となった。過去の打ち上げの多くはリフトオフから衛星分離まで数十分だったが、今回は4時間以上かかっている。

日本のH2Aロケットは、29回中28回打ち上げ成功という高い成功率をもつ。基幹ロケット高度化プロジェクトは日本のロケット技術のステップアップであり、この成果はH2Aロケットの性能向上に加え、H3ロケットやイプシロンロケットにもつながっていくという。初の国産商業衛星打上げの成功により、今後の宇宙事業に大きな前進をもたらすとみられる。

画像提供:JAXA