小中高のアクティブラーニング 6割が成果を実感
デジタル・ナレッジ(東京都台東区)のeラーニング戦略研究所は4日、「アクティブラーニング」を導入している小・中・高校教員100万人を対象に実施した、アクティブラーニング実施状況についてのアンケート調査の結果を発表した。アクティブラーニングとは、グループワークや体験学習、調査学習などによって、能動的に学修に参加するようにする教授・学習法。59%の教員が、アクティブラーニング導入により、「主体性が身に付いた」など、成果を実感し、授業・生徒の良い変化を感じたと答えた。
アクティブラーニングを全学年に導入している学校は82%となり、特に小学校では88%、中学校では83%と高くなった。手法としては、「グループワーク」(79%)、「問題解決学習」(59%)、「グループディスカッション」(56%)が多かった。
導入の成果を実感した割合を地方別に見ると、関西(81%)と九州(75%)で最も多かった。具体的には「授業の雰囲気が変わった」「発表の能力が上がった」「寝る生徒やわからない生徒が減った」「協力したり支援し合ったり、他を思いやる姿が見られるようになった」などのコメントがあった。成果があったと答えた教員には、指導力向上のために研修講演に参加したり、教員間の授業参観や勉強会を行ったりしていた教員が多かった。
アクティブラーニングについては、2014年11月に下村博文元文部科学相の中央教育審議会(中教審)に対する諮問の中に取り上げられた。そこでは、「何を教えるか」に加えて「どのように学ぶか」「どのような力が身に付いたか」を重視する必要性を唱え、そのためにアクティブラーニングを充実させることを提言した。それを受けて中教審は、学習指導要領の改訂内容を2016年度中に答申し、2020年に小学校、2021年に中学校、2022年に高校で実施する見通しとなっている。
(写真はイメージ)