系外惑星に公式名を決定 国際天文学連合

国際天文学連合(IAU)は15日、太陽系外の19の惑星系(14の恒星とその周りを回る31の惑星)の公式名を一般投票で決定し、承認した。名前の候補は世界45カ国のさまざまな天文団体から274件提案され、182の国と地域から57万票以上の投票があった。

今回のIAUによる「太陽系外惑星命名キャンペーン」は、一般の人々が系外惑星とその中心にある恒星(主星)に名前をつける初の機会となった。北米(米国、カナダ)で4団体、中南米(メキシコ)で1団体、中東・アフリカ(モロッコ、シリア)で2団体、ヨーロッパ(フランス、イタリア、オランダ、スペイン、スイス)で6団体、そしてアジア・太平洋地域(オーストラリア、日本、タイ)で6団体が惑星系の名付け親となった。

今回採択された名前の語源は、さまざまな歴史や文化を反映した神話の登場人物、有名な科学者、架空の人物、古代都市や消滅した言語の言葉など、多岐にわたる。最高得票数を得た名前は、さいだん座ミュー星「セルバンテス」、第一惑星「キホーテ」、第二惑星「ドゥルシネーア」、第三惑星「ロシナンテ」、第四惑星「サンチョ」で3万8503票。セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』にちなんだものだ。1995年に系外惑星として最初に見つかったペガサス座51番星は「ヘルヴェティオス」、第一惑星は「ディミディウム」と名付けられた。

日本からの提案も4案が採用された。いずれも、岡山天体物理観測所の口径188cm反射望遠鏡によって発見された惑星系だ。
・いるか座18番星「ムジカ」、第一惑星「アリオン」は、徳島県立城南高校科学部が名付け親で、いるか座の由来となったギリシャ神話からの提案。
・おうし座エプシロン星(主星は「アイン」という名前が既にある)第一惑星「アマテル」(アマテラス)は、広島県呉市かまがり天体観測館が名付け親で、天照大神にちなんでの提案。
・おおぐま座HD 81688「インテルクルース」、第一惑星「アルカス」は、岡山アストロクラブが名付け親で、おおぐま座にちなんでの提案。
・わし座クサイ星「リベルタス」、第一惑星「フォルティチュード」は、法政大学学生団体リバティアが名付け親で、それぞれラテン語で「自由」「不屈の精神」を意味する。

系外惑星に公式名を決定 国際天文学連合

(写真はイメージ)