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特定外来生物ツマアカスズメバチ、今年度の調査が終了 環境省

9月に福岡県北九州市で営巣が確認されていた特定外来生物ツマアカスズメバチについて、環境省は25日、今年度の調査で新たな巣や個体は発見されなかったと発表した。同省は港湾での監視調査や、福岡県北九州市や山口県下関市などで営巣状況の調査をしてきた。冬期を迎えて、ツマアカスズメバチの活動はほぼ終了したことから今年度の調査は終了し、来年度再び、ハチの活動に合わせて調査するという。

北九州市・下関市で営巣状況調査を9月中旬から10月末まで実施した。営巣確認地点や港周辺でスズメバチ類を誘引捕獲するトラップを設置し、公園や緑地の現地踏査や個体を調査したところ、存在は確認されなかった。また、11月中旬から12月中旬までのトラップ調査でも個体は確認されなかった。

それ以外の港湾でも9月中旬から下旬までのトラップ調査、10月上旬から中旬までの現地踏査でツマアカスズメバチの巣や個体は確認されず、11月下旬から12月中旬までのトラップ調査でも個体は確認されなかった。

現時点では定着は確認できなかったが、ツマアカスズメバチは少数の定着であっても急速に個体数や分布域が拡大する可能性があるため、来年度以降も引き続き侵入監視や生息状況を調査するという。

ツマアカスズメバチの原産地は中国、台湾、東南アジア、南アジア。体は全体的に黒っぽく腹部の先端がオレンジ色で、大きさは20~30mm程度。主にミツバチを含む昆虫類を捕食する。懸念される影響として、在来のスズメバチの減少や捕食される昆虫の減少による生態系のかく乱、飼育ミツバチへの攻撃、養蜂や受粉の被害が考えられる。ただし、在来のスズメバチと比較して特に人体に関わる被害が大きいことはないとされる。

(写真はイメージ)

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