全国がん登録を推進 「がん登録センター」開設

国立研究開発法人国立がん研究センターは8日、効果的ながん対策を実施するために全国のがん患者の情報を集約し、データベースの整備・データ提供・分析を行なう「がん登録センター」を開設した。これにより、今まで集計できなかった正確な全国のがん罹患数(がんと診断された人数)を把握し、データを用いて国・都道府県のがん対策を立てることができる。さらに対策の評価もデータを用いて行われることで効果的ながん対策の実行が可能となる。

同施設は2016年1月1日に施行された「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、がん対策情報センター内に開設された。この法律は、全ての病院などから届けられる「全国がん登録」で登録された情報の利用・提供・保護や、がん診療連携拠点病院などを中心に実施されている「院内がん登録」などを推進する関連事項を定めている。がんの罹患、診療、転帰などの状況の把握や分析、その他のがん関連の調査研究を推進し、がん対策を充実させることができる。

同センターの開設により、全国どこで診断を受けても、がんと診断された時点のがん情報が都道府県に届出され、国のデータベースで一元管理されることとなる。全ての病院などに届出義務が課せられるため、がん情報が漏れることなく収集され、都道府県をまたがった受診や転居による重複や漏れも軽減できる見込み。

(写真はイメージ)

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