「第4次産業革命」 なくなる業務・創出される業務 WEFレポート
「第4次産業革命をマスターする」をテーマに20~23日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)がスイス東部のダボスで開催された。人工知能や機械学習、ロボット工学、ナノテクノロジー、3Dプリンター、遺伝学、バイオテクノロジーなどの台頭による「第4次産業革命」が、労働市場に大きな混乱をもたらすとするWEFのレポート「職の未来」が18日に公表された。
レポートでは、全世界の労働人口の65%に当たる約19億人の労働者を抱える世界15の国と地域で、2020年までに710万人が職を失い、200万人の新たな雇用が創出されると試算している。失われる職の3分の2は、事務や管理といった定型のホワイトカラー業務に集中している。一方、新たに創出されるのはコンピュータ、数学、建築、エンジニアリングに関連する分野の職業だ。
多くの業界で、最も需要の高い職種や専門分野は、10年前あるいは5年前ですら存在しておらず、変化のペースはますます加速している。米国デューク大学のキャシー・デビッドソン教授が、「2011年度に米国の小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今はまだ存在していない職業に就くだろう」と述べたのは有名な話だ。同じ位置にとどまり続けるのではなく、向上心を持って日々挑戦していくことが求められている。
(画像提供: World Economic Forum)