「日本は働く場として魅力ない」 経産省、企業の制度改革を後押し
経済産業省が5日に発表した、外国人留学生・元留学生を対象とした労働環境に関するアンケート調査結果で、日本は「生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がない」と評価されていることが分かった。同省は今回の結果を日本独自の雇用制度と深くかかわっているとし、企業の制度改革を後押しするため、国が取り組むべき環境整備などについての有識者会議を進める。3月中に報告書を取りまとめる予定。
留学生・元留学生の83%が「日本に住むこと」を魅力的と評価している一方、「日本で働くこと」については魅力的という回答は22%にとどまり、魅力的でないという回答が50%に上った。
同調査では、新卒一括採用や年功序列といった日本型雇用の人事制度が外国人留学生の期待に合っていないことが指摘された。留学生・元留学生から見た日本企業への不満として、大企業に対し「昇進する見込みが感じられない」という回答が35.6%で最も多かった。一方、中小企業に対しては「給与が低い、なかなか増えない」と回答したのが34.0%で最も多かった。
日本政府は高度外国人材や留学生の受け入れを推進し、日本への定着を図っているが、実際に日本での就職を希望している留学生は全体の7割にとどまっている。さらに、実際に日本で就職した学生は全体の3割未満で、年間約1万人が流出しているという。
また、留学生の3割以上が「就職活動の仕組みが分からない」、「入社後に仕事内容が明確に示されない」といった日本特有の就職イベントを問題点と指摘した。
(写真はイメージ)