花便り~ウメ

「梅は咲いたか 桜はまだかいな~」とは江戸・明治時代に流行した江戸端唄。近所の公園ではウメの古木が紅色の花をつけ、甘い香りを漂わせている。

学名はPrunus mume(プラナス ムメ)。「サクラ属のウメ」という意味だが、mume(ムメ)というのは、江戸時代にはウメではなく「ムメ」と呼ばれていたことから。中国原産で、奈良時代の遣隋使、または遣唐使が中国から持ち帰ったといわれ、古くは万葉集にも登場する。江戸時代には各藩が非常食として梅干をつくることを奨励したため、全国に梅林が作られるようになった。お花見というと今ではサクラのことだが、奈良時代以前には花とはウメをさすことが多かった。ウメよりサクラが愛好されるようになったのは平安時代からだという。

ウメの実ができるのは白梅の木。実が生る時期には雨が多く、その時期を「梅雨つゆ」と呼ぶようになった。また「松竹梅しょうちくばい」、「梅にうぐいす」、梅の花の紅色をさす「紅梅こうばい色」、料理の味加減を意味する「塩梅あんばい」など、梅がつく言葉も数多く存在する。ウメの実は、梅干、梅酒、梅酢、梅肉煮、のし梅など料理や菓子など食用として用いられ、その酸味は塩についで古い調味料ともいわれている。

別名「春告草はるつげぐさ」とも呼ばれるこのウメ。品種が多く300種以上といわれている。サクラと違って、咲き方も散り方もゆっくり。まだまだ楽しめそうだ。

 
花便り~ウメ

花便り~ウメ

花便り~ウメ

花便り~ウメ

花言葉:高潔、忠実、忍耐、上品、独立、厳しい美しさ、あでやかさ

ウメ(梅):薔薇(バラ)科サクラ属の落葉高木

(写真は紅梅)

 
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