サハラ砂漠で太陽熱発電 世界最大級システムが稼働

世界銀行の専門機関である気候投資基金(CIF)は、モロッコのサハラ砂漠において世界最大となる集光型太陽熱発電(CSP、Concentrated Solar Power)システムを完成させ、2月上旬に稼働開始した。

CSPは、レンズ、鏡、反射板などを用いて集めた太陽光の熱で水を蒸発させ、蒸気タービンを回転させて発電する発電方式。太陽光発電所などと比べて建設費コストがかかる一方で、夜間や曇った日のために電力を備蓄でき、安定した電力供給が可能となる。国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までに世界のエネルギーの11%はCSPで供給できると予想している。

世界銀行の発表によると、今回稼働をはじめたCSPの面積は、モロッコの首都ラバトに匹敵する大きさで、東京ドーム約2500個分。

世界銀行とアフリカ開発銀行が協力し、すでに同プロジェクトには4億3500万ドルが投資されている。2018年までにモロッコの110万人のエネルギーを供給できる規模になる予定で、同時に1年あたり76万トンの二酸化炭素排出量の削減を実現できるという。安定的な電力供給を進めることで、多くの住人の生活や経済活動などの向上も期待される。

 
(画像提供:世界銀行)

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