絶滅危惧種ヘサキリクガメ、日本初の繁殖成功 野毛山動物園
野毛山動物園(神奈川県横浜市)は8日、絶滅危惧種ヘサキリクガメの繁殖に日本で初めて成功したと発表した。2月28日に最初の個体がふ化し、甲長は41mm、体重は21g、性別は不明だった。他にも8個の卵がふ卵器に入っている。
今回生まれた個体の両親は、いずれも種の保存法に違反して販売・飼育されていたところを摘発・保護された個体で、2011年から同動物園で飼育していた。ヘサキリクガメは世界的にも飼育園館が少なく、飼育下繁殖の例も少ない。同動物園では、「今後も動物園の役割である『種の保存』に取り組んでいく」とコメントしている。
ヘサキリクガメはカメ目リクガメ科。国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト記載の絶滅危惧種だ。生息地はマダガスカル島北西部のバリー湾周辺。最大甲長は約45cmになる。のどの下の甲羅の喉甲板が船のヘサキのように伸びているのが名前の由来。1970年代の森林伐採などで生息数が激減し、現在野生で生息しているのは約100~400匹のみ。絶滅が危惧されている。以前にも、同島で自然団体が10年以上かけて170匹ほどの繁殖に成功したが、1996年に約半数が盗まれ、密輸されたという。