長良川の天然アユ、準絶滅危惧種に 岐阜市版レッドリストに掲載
岐阜市は市内で絶滅が危惧されている生物を選定したレッドリストを初めて作成し、13日公開したが、天然のアユが準絶滅危惧種として掲載された。同市を流れる長良川のアユを獲る鵜飼は全国的にも有名。
アユは全長20cm程度で体側前方に黄色い斑紋がある。春~夏は河川上・中流域で主に付着藻類を食べて成長し、秋に中流域下部まで降下して産卵する。孵化した仔魚は沿岸域まで下り、冬季にプランクトンを食べて成長した後に河川に遡上する。北海道から九州まで幅広く生息し、同市内では長良川を中心に分布する。
準絶滅危惧種とは、存続基盤が脆弱な種で、現時点での絶滅危険度は小さくても、生息条件の変化によっては絶滅危惧として上位ランクに移行する要素を有するもの。天然のアユがそこまで減った原因としては、孵化仔魚が河口堰によって海まで辿り着けずに死滅している可能性が指摘されている。
レッドリストと同時に、同市内で生育・生息している外来生物種の一覧を示すブルーリストも公開された。