トレンドマイクロ社は16日、サイバー攻撃などの情報を発信するセキュリティブログで、スマートフォンなどのAndroid端末を狙った身代金要求型不正プログラム（ランサムウェア）の国内流入を確認したと報じた。今後、国内のモバイル利用者もランサムウェアの被害に遭う恐れがある。
このランサムウェアに感染すると、日本の国旗や警察などのマークと共に「MINISTRY OF JUSTICE」（法務省）と表示され、日本語で1万円の「罰金」の支払いを要求するメッセージが表示される。ただし、文面に「残り時間は、罰金を支払います」などの不自然な日本語が含まれ、「国土安全保障省」という日本にはない米国の省庁名も表示されている。
現在、パソコン版のランサムウェアでは、パソコン内のデータを勝手に暗号化し、元に戻してほしければ身代金を支払うよう迫る「暗号化型ランサムウェア」による被害が多い。今回確認されたものは、スマートフォンなどの端末自体の操作をできないようにする「端末ロック型ランサムウェア」だ。
これら不正プログラムの被害に遭わないためには、正規の Android端末向けアプリマーケットである「Google Play」や、信頼できるサードパーティマーケットで配布されるアプリだけをインストールするようにし、さらにインストール前にアプリの開発元、レビュー、インストール数などもチェックするとよいだろう。
なお、実際にランサムウェアに感染してしまった場合、Android端末をセーフモード（※）で起動することで、ランサムウェアの起動を抑止し、アンインストール可能になる場合があるという。
※セーフモード起動の方法は使用機種ごとに異なるため、使用機種のセーフモード起動方法の確認が必要。
不正プログラムによる表示画面［画像提供：トレンドマイクロ社］
（冒頭写真はイメージ）
