ベトナム産マグロが高値で競り落とし 日本の技術支援が実を結ぶ
ベトナム南中部ビンディン省の人民委員会によると、同省の漁民が捕獲したマグロが、大阪で高値で競り落とされた。日本の技術支援を受けたマグロ漁によるものだ。ベトナムのニュースサイト「Zing.vn」が報じた。
競り落とされた価格は1kgあたり平均1380円で、最高値は1600円。インドネシア産のマグロは1kgあたり1350円であり、ベトナム産は東南アジアの他の国のマグロより高値となった。日本の水産専門家も質を高評価しており、特に1kg1600円で売られたマグロは赤身が新鮮で、とても良質だとした。
昨年末に同省は、国際協力機構(JICA)の支援を受けて25隻の漁船に日本式のマグロ漁設備を設けた。また加藤均総合事務所(堺市堺区)と協働して技術系幹部と120人の漁民を訓練。同支援事業に参加する漁民には省からも支援金を出している。今年の1月には同事業による8本のマグロが初めて大阪で競りにかけられ、1240円で売られた。
JICAによると、マグロはベトナムの主力の輸出品の一つだが、鮮度を保つ処理方法が十分普及しておらず、日本へはほとんど輸出されていなかった。同事業では、マグロに電気ショックを与え一時的に気絶させることにより、漁獲時に暴れることを防いで身の損傷を抑え、鮮度を保つ「ツナショッカーシステム」を導入した。同時にマグロ処理のノウハウを現地に伝え、高品質なマグロを日本に輸出することを目指している。
(写真はイメージ)