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タンザニアの栄養問題に解決の兆し 発育阻害児割合が4年間で大幅に低下

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、タンザニアにおける国民栄養調査結果で「2010年から2014年の間に、慢性的な栄養不良により年齢相応に背丈が伸びていない状態にある発育阻害の5歳未満の子どもの割合が、42%から35%にまで低下した」と発表した。
 タンザニアはユニセフによって、09年から支援活動、11年から“スケーリングアップ栄養(Scaling Up Nutrition:SUN)運動”と呼ばれる世界的な啓発活動のパートナーシップによる活動を開始し、栄養問題の推進を進めていた。SUN運動は世界銀行・国際通貨基金(IMF)の2010年春季会合時に承認され、妊婦と生後24ヶ月未満の乳幼児を対象としている。
 ユニセフ・タンザニア事務所代表のジャマ・グレイド氏は、「栄養不良、特に発育阻害は知性を鈍らせ、生産性を低下させ、貧困を固定化させます。今日の成果は、栄養に関する政治的コミットメントの増加と調整メカニズムの改善の結果なのです」と伝えている。
 タンザニアには今も270万人以上の発育阻害の5歳未満児がいると推計され、43万人以上の子どもたちが急性栄養不良に苦しんでいる。そのうち約10万人は重度の急性栄養不良と診断されており、適切な治療を受けられない場合の死亡リスクは高い状態である。

タンザニアの栄養問題に解決の兆し
タンザニアの親子。

タンザニアの栄養問題に解決の兆し
赤ちゃんの体重測定やワクチンを接種するために保健所に集まった母親たち。

画像提供:UNICEF_UNI161891_Holt