G7「新潟宣言」採択 農業の新規参入促進へ 女性・若者活躍めざす
新潟市で開かれたG7(主要7カ国)農相会合は24日、共同声明「新潟宣言」を発表した。先進国の農業分野で共通となっている高齢化や担い手不足をはじめとする課題を共有し、方策をまとめた。同宣言には農業への新規参入者や女性・若者の参入支援強化などが盛り込まれた。
先進各国で共通の課題として共有されたのは、(1)農業者の高齢化と担い手不足、これに伴って農業地域のコミュニティ活動が難しくなっていること、(2)世界人口の急増と急速な都市化、新興国の食の嗜好が多様化していることで、食料供給が難しくなっていること、(3)異常気象による、天然資源や農業システムへの圧力。
これらの課題を踏まえて新潟宣言では、「農業地域の活性化と農業者の所得の向上」、「農業生産・生産性と食料供給能力の改善」、「持続可能な農林水産業への支援」を3つの柱として行うとした。
農業者への支援としては、情報通信技術(ICT)など先進技術の現場への活用を推進するほか、「6次産業化」による農産物の付加価値向上を図る。6次産業は、第一次産業である農業に第二次産業の食品加工や第三次産業の流通・販売などを組み合わせて展開する産業形態のこと。また、新規参入者を後押しし、それらの人々が成功できるビジネスモデルを特定していく。女性・若者の参入促進のためには、所得向上策として農地所有や農業経営、マーケティング、農業・食料産業関連活動などを支援強化する。
このほか、薬剤耐性や動物疾病等への対策や、生産性向上のための技術開発や気候変動への適応のための研究推進などについて方策が示された。
G7、G8の農業大臣が会合を開くのは2009年イタリアでの開催以来7年ぶり。農業での女性活躍については今秋東京で別途、国際会議を開くことも決定した。
(写真はイメージ)