【コラム】「第4次産業革命」とは何か? 日本が勝つための道は(後編)
「第4次産業革命」と言われる、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、ロボット、ビッグデータといった分野の技術革新。欧米諸国が先を行く中で、日本はどのように進んでいくのか。
<日本企業の活路は>
第4次産業革命をむかえ海外グローバルプレイヤーが進出する中、新産業構想ビジョンでは、日本がどのように産業や雇用の構造を転換するべきかが議論の焦点となっている。第4次産業革命において、いずれの分野でも前提となるのは「大量のデータ」だ。実はインターネットを中心としたバーチャル空間上で発生する大量のデータは、すでに海外グローバル企業が握っている。このため、日本としては、健康情報や工場設備の稼働データなどリアルのデータを収集・活用することが活路となる。そのための日本の戦略として、新産業構想ビジョンでは、データ利活用の環境整備、人材育成や人材獲得、第4次産業革命の中小企業や地域経済への波及など全部で7項目が掲げられている。
<第4次産業革命で雇用が失われる?>
一般消費者としては恩恵を受けることが多いが、気になるのは「仕事内容の変化」だ。自分の仕事が10年後にロボットに置き換えられている可能性もあるということだ。経産省も当然「定型労働や非定型労働でも省人化は進む」としている。それは、ホワイトカラーと呼ばれる知識労働においても同じである。業種では、日本の第4次産業の活路とされる製造業や流通・小売り業における調達部門で、自律型ロボットで代替される可能性が高いとしている。
しかし、既存の就業形態で省人化が進む一方で、ビジネスプロセスの変化に応じて新たな雇用ニーズは確実に生み出されていくため、経産省は「就業構造の転換に対応した人材育成や成長分野への労働移動が必要」としている。
実際に、日本はすでに欧米から2、3歩遅れている現状だ。しかし、官民連携した上での産業構造の変革、新たな技術導入促進を行うことで、これからの巻き返しを期待していきたい。
参考記事:
「第4次産業革命」 なくなる業務・創出される業務 WEFレポート
人工知能時代 人間にしかできない仕事とは?
(写真はイメージ)