生活習慣が子どもの「自己肯定感」に影響―40%以上の開き
朝食をとる、あいさつをするといった生活習慣が身についている子どもほど「自己肯定感」が高くなる傾向があることが、国立青少年教育振興機構の調査で分かった。
昨年2月~3月に行なわれた同調査は、小学生から高校生の生徒1万8000人、保護者1万5000人が回答。「自分には、自分らしさがある」「今の自分が好きだ」といった自己肯定感に関わる全6項目を得点化し、回答者を点数によって「(自己肯定感が)高い」「やや高い」「ふつう」「やや低い」「低い」の5段階に分類した。
生活習慣が身についていて「朝、顔を洗ったり、歯を磨いたりする」「朝、食事をとる」「家であいさつをする」といった項目により多くチェックした子どもと、より少なかった子どもとで、自己肯定感に大きな差がみられた。
生活習慣が身についている子どもは自己肯定感が高い割合が58.6%(「高い」が19.4%、「やや高い」が39.3%)であるのに対し、生活習慣が身についていない子どもは13.7%(「高い」が0%、「やや高い」が13.7%)にとどまっており、40%以上の開きがあることが分かった。
また、同調査では自己肯定感が「高い」「やや高い」に該当する子どもは合わせて48%となった。この割合は年々増加傾向にあり、2008年に比べると11%高くなっている。
自己肯定感とは文字通り自分を肯定する感覚のことを指す。子どもの貧困や教育現場について研究する埋橋孝文同志社大教授は、2015年10月の京都新聞記事内で「学ぶにも働くにも、根底は自己肯定感。高まる要因と下がる要因を、さらに具体的に検証する必要がある」と述べている。
(写真はイメージ)